夏の風物詩と言えば、やはり「花火」ですよね。岡山県内のメーカーでは、花火玉の製造がピークを迎えています。新型コロナが5類に移行されて初めての夏ですが、いまだ苦境に立っているといいます。そのわけとは…

「(当時は)作っても、結局、出ていかないので。無駄な仕入れもしないといけないので、作ることはストップしていた。(現在は)製造活動も普通に戻っているので、日常に戻ってくれてありがたい」

まもなく到来する夏本番。岡山県で唯一の打ち上げ花火メーカー森上煙火工業所では、花火玉作りが最盛期を迎えています。

従業員が火薬を詰めるなど、約2万発を製造予定です。完成間近の花火玉の中にはこの数年は作らなかった直径30cmを超える尺玉も…

夜空を彩る無数の花火…コロナ禍で多くの花火大会が中止となる中、森上煙火工業所では密を避ける形で楽しんでもらおうとサプライズ花火を企画。多くの子どもたちを笑顔にしてきました。新型コロナが5類に移行され初めての夏。受注件数なども戻りつつあるといいますが、依然として厳しい状況だと話します。大規模な花火大会が減っているのです。

(森上煙火工業所 森上真夢社長)「大体は戻ってるような感じなんですが、ちょっとやはり運営が大変で(花火大会を)やめてしまっているところもちらほらとあるような感じです」

岡山県内では、4年ぶりに実施される大会もある一方で、警備の人員が確保できないなどとして未定や祭自体の中止を決めた団体もあるといいます。

(森上煙火工業所 森上真夢社長)「岡山市でも花火大会が無くなりましたし、倉敷市も花火大会が無くなってしまってるんで、地元で花火を上げる機会が減少してしまっているのは寂しいということで、自分たちでイベントを立ち上げて、花火を見てもらえるような」

夏休み期間中に計画しているイベントがあります。子どもたちからイラストを募集、受賞者のイラストは実際に花火として打ち上げられるというものです。日本の風物詩を途絶えさせないために…苦境に立つ業界ですが皆を笑顔にするために作業を続けます。

(森上煙火工業所 森上真夢社長)「花火を作ってあげるという仕事に対しても、途絶えさせてはいけないな。コロナで長らく見る機会は無かったと思うので、ぜひ今年の夏は足を運んでもらって、1発1発楽しみながら通常の状態で花火を見ていただけたら」

花火文化を将来に受け継いでいくために。森上さんは、黙々と花火玉を作り続けます。

【スタジオ】花火玉の製造は、火薬の調合や球込みといわれる作業など1つ1つが職人たちの手作業。大きさにもよりますが、約1か月~3か月をかけて作られるそうなんです。森上煙火工業が主催する「イラスト花火コンテスト」は7月18日から約1か月間募集するということです。