国の誤った隔離政策で差別や偏見にさらされたハンセン病問題について広く知ってほしいと、回復者の男性が岡山市北区で講演しました。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)「家でさえ『出て行け』と言われたり、『死ね』と言われたり」

「そんなことを言われて療養所に入ってきた人ばかりです」

講演したのはハンセン病の回復者で、いまも長島愛生園で暮らす中尾伸治さん(88)です。今月(6月)22日の「らい予防法による被害者の名誉回復 及び追悼の日」に合わせ、ハンセン病問題について理解を深めてほしいと開かれました。

講演で中尾さんは、「病気などによる差別や偏見のない世界を」と訴えました。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)「この社会の中に、体や心に傷がある人がたくさんいる」

「その人たちと一緒に生活できるような、のけ者にしないような生活をしてほしい」

また、療養所のある長島と本土とを結ぶ邑久長島大橋の開通35年を記念し、当時を取材したドキュメンタリー番組の上映も行われました。