6月は、「LGBTQ」などといった多様な性の在り方の権利について、世界各地で啓発などを行う「プライド月間」です。
世界に比べて日本は、「性的マイノリティを取り巻く環境整備などが遅れている」と言われる中、与党は5月に開かれた「G7広島サミット」に合わせる形で、性的少数者に対する理解を広めるための、「LGBT理解増進法案」を国会に提出しました。

ただその内容は、2年前に与野党で合意した内容とは異なり「後退している」という指摘もあります。LGBTの当事者らは、こうした動きをどのような思いで見ているのでしょうか。
元女性で現在は男性「トランスジェンダー」の2人 SNSで情報発信

2年前からSNS上で「性」に関する情報発信を行う、藤岡瑛宏さんと山室佑真さんです。2人は元女性で、現在は男性として暮らす「トランスジェンダー」、心と身体の性が一致しない性的少数者です。
(藤岡瑛宏さん)
「『世界に比べたら日本は遅れている』って考えなので、世界に合わせるってところはすごくいいことだとは思うんですけど、5年10年というスパンで考えた時に、逆にLGBTQ当事者からの不満が溜っていくのではないか、一気に話を進めすぎると」

2人が情報を発信するのは、10代・20代に人気の「TikTok」です。1万1千人を超えるフォロワーの中には、同じ悩みを抱える若い当事者もいます。2人は日々、質問や相談に応え、寄り添っています。