専門家に聞く、コロナ・風邪・インフル「それぞれの症状」

岡山市立市民病院の今城健二院長です。今城さんは、新型コロナが5類に移行する約1か月前から「かぜの症状」を引き起こすウイルスの状況が変わってきたと言います。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「以前であればコロナの波の時に、他のウイルスはあまり出てこない状況もありましたが、ここ1か月くらいのところで、色んな『かぜ症候群』を引き起こすウイルスがでてきているのが現状です」

新型コロナやインフルエンザなど「かぜ症候群」を引き起こすウイルスに感染した場合に、共通する症状の多くは、「発熱」をはじめ「せき」「くしゃみ」「のどの痛み」だということです。

かぜの症状で「新型コロナ」?「インフルエンザ」? はたまた「いつもの風邪」なのか?と悩んだとき、今城さんは医療機関を受診する目安の一つに自身の「症状の程度」で判断する必要があると言います。

病院に行くかどうかは「症状の程度で判断を」

まず、かぜの症状で体調を崩した時、比較的症状が悪い場合は
(1)医療機関を受診する
(2)一方で、体調の経過をみる余裕がある場合は、市販のかぜ薬を服用しながら 2~3日休養
(3)それでも状況が改善しない場合は受診を考えること
で検討してほしいということです。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「最初からインフルエンザの場合は症状が強めに出るので、医療機関を受診する機会が早くなると思います。ところが『軽症でなにか分からない程度』の症状の場合には、必ずしも病院に行かなくていい。少し経過をみて悪くなる一方の場合は受診したほうがいい」

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5類移行に伴い医療体制や社会制度も大きく変わりました。

これまでは、陽性者の外出については『自粛』が要請されていましたが、外出制限がなくなり、外出を控えるかどうかは『個人や事業所の判断』に委ねられるようになりました。

また、5類移行前の岡山県では、発熱や味覚障害など新型コロナの感染を疑う一定の症状がある場合に、受診する外来の対応が可能な医療機関は約660か所でしたが、移行後の現在では約850か所までに拡大していて、今後も幅広い医療機関での診療を受けられる体制構築が進められています。

今城さんは、かぜの症状で体調を崩した場合、まずは「無理をせず休養する」ことが大切だと言います。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「休養を取るということがいちばん大事なこと。これはほかのインフルエンザやかぜウイルスであっても同じことが言えますので、無理をせずに体調を整えてから仕事に復帰するなど活動されたほうがいいです」

体調を崩した時は、まずは慌てずに落ち着いて判断した上でしっかり療養することが大切になりそうです。