「膣–膀胱–腸 軸」という新たな概念

この研究が最も重要な貢献として提示するのが、「膣–膀胱–腸 軸」という新たな概念です。

健康な閉経前の状態では乳酸桿菌が優位であり、膣・膀胱・腸の環境が保たれています。一方、閉経によるエストロゲン低下に伴い、膣のディスバイオーシス(CST IV)、膀胱への上行性感染・再発性尿路感染症、腸のエストロボロームの乱れが生じ、それぞれが互いに影響し合う構造が浮かび上がりました。

腸内細菌によるエストロゲン代謝(エストロボローム)の乱れや細菌の移動を介してこれら3部位がつながる可能性があるとされていますが、研究グループは「現時点では生物学的に妥当な仮説であり、今後の検証が必要である」と慎重に位置づけています。

作成:岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院・腎泌尿器科)定平卓也研究准教授