3部位すべてに共通する「乳酸桿菌の減少と多様性の増加」
岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院・腎泌尿器科)の坪井一朗助教(特任)、定平卓也研究准教授、渡部昌実教授、光井洋介客員研究員(おかやま腎泌尿器科クリニック)らの研究グループは、研究計画をPROSPERO(CRD420261335478)にあらかじめ登録したうえで、国際的な報告指針(PRISMA)に準拠してシステマティックレビューを実施しました。
PubMed・Scopus・Embaseの3つの文献データベースを検索し、最終的に23研究(内訳:膣15研究、尿路7研究、腸1研究)を解析対象としました。
主な知見は以下のとおりです。
共通する細菌叢の乱れ:閉経後の女性では、膣・尿路ともに善玉菌である乳酸桿菌(Lactobacillus)の減少と、細菌の多様性の増加という共通の乱れ(ディスバイオーシス)が一貫して認められました。
エストロゲン療法の限界:エストロゲン療法は乳酸菌優位の状態を部分的に回復させましたが、症状の改善とは必ずしも一致しませんでした。大規模コホート(SWAN研究、n=1,320)では、複数のGSM症状のうち性交痛のみが特定の細菌叢タイプ(CST IV-C1)と独立して関連していました(オッズ比2.26、95%信頼区間1.20〜4.23)。
症状ごとの関連細菌:特定の細菌が症状ごとに関連しており、Prevotella は尿路症状と、Finegoldia magna は反復性膀胱炎や反復性腎盂腎炎と、Streptococcus は性交痛とそれぞれ関連していました。
新たな軸の示唆:3つの部位に共通して乳酸菌の減少と病原性細菌の増加が認められたことから、膣・膀胱・腸をつなぐ「膣–膀胱–腸 軸(vaginal–bladder–gut axis)」の存在が示唆されました。










