「力による現状変更」が起きる時代
(高島大浩氏)
「私は、海外76事務所から日々情勢変化の報告を受けていますが、将来を正確に予見することは非常に難しい時代になっています。だからこそ重要なのは、何が起きているのかという大きな構造変化を理解することです。
現在の地政学的な変化を踏まえて世界で何が起きているのか、ひと言で表現するなら、これまでの国際秩序や国際法といったルールには依らず、力を持つ国家による一方的な現状変更を試みる事例が増えているということです。
ロシアによるウクライナ侵攻はその典型例です。中東でもイスラエルとイランを中心に緊張が続いています。世界各地で、これまでの国際秩序の下では起こりにくかった事態が次々と発生しています。
地政学的な環境変化の結果として企業活動に最も大きな影響を与えているのが海運物流です。紅海では商船への攻撃が続き、ヨーロッパとアジアの間では、多くの船舶がスエズ運河経由の航路を避けて南アフリカの喜望峰を回るルートを利用しています。
ホルムズ海峡を巡る緊張も依然として続いています。干ばつが生じるとパナマ運河も通航能力が制約されます。世界の主要物流動脈が同時多発的に不安定化しています。
企業にとってこれは単なる国際ニュースではありません。輸送日数の長期化、運賃上昇、在庫増加、原材料コスト上昇という形で、収益そのものに影響が及んでいます」










