1塩基の違いが生む「2時間の差」

EMF3遺伝子は2172の塩基配列から構成されます。そのうちたった1か所、181番目の塩基がシトシン(C)からチミン(T)に置換されると、EMF3タンパク質の61番目のアミノ酸がロイシン(L)からフェニルアラニン(F)に変化します。この微細な差異が、開花時刻のピークを約2時間早めます。

さらに、人為的にEMF3タンパク質の機能を欠損させたイネでは、開花が早朝から夕方まで幅広い時間帯に分散することも明らかになりました。通常のイネが午前10時から12時に集中して開花するのとは対照的で、EMF3遺伝子がイネの開花時刻の制御に大きく関与していることを示す結果です。

加えて、突然変異系統でのスクリーニングにより通常のイネより開花時刻が約1時間40分早い「早朝開花イネ2」を選抜しました。この系統では、EMF3遺伝子の563番目のアミノ酸がトレオニン(T)からイソロイシン(I)に変化していることを明らかにしました。

図3【国際農研提供】早朝開花イネ1の原因となる塩基やアミノ酸の変化 【図解】