二つの療養所がある長島を取材して
「瀬戸内市には、患者を収容した療養所が二つあります。一つは、1930年に創立された日本初の国立ハンセン病療養所、長島愛生園。もう一つは、1938年に再建された邑久光明園です。
二つの療養所は離島にあり、長い間、社会と隔絶されていました。本土とつながったのは1988年。『人間回復の橋』と呼ばれる邑久長島大橋が架けられた時のことでした。
療養所での生活は、人権を無視した過酷なものでした。連れてこられた患者はまず、クレゾールという薬が入った消毒風呂に入れられ、持ち物は消毒されるか、没収されました。逃げようとした患者は監房に閉じ込められ、食事や水の制限を受けるなど、劣悪な環境に置かれたと聞いています。
さらに、療養所内で結婚するには、断種手術を受けることが条件でした。入所者の方々が子どもを持つことは許されなかったのです」










