「捨てる」ではなく「ときめく」モノを選ぶ

近藤さんはモノを選んでいく際、「捨てること」にこだわると、思わぬ落とし穴にはまるといいます。

近藤さんが指摘する、「落とし穴」は【画像④】に図解しています。

【画像④】

(近藤 麻理恵さん)
「これは、私自身が中高生時代に陥った罠でした。当時の私は『片付け=捨てること』と信じていたので、毎日捨てるモノばかり探していました」

「『これはもう着ていない服』『これはデザインが古い』と、モノの欠点ばかりを探すネガティブな視点でいると、どんどんストレスが溜まっていきます」

近藤さんが、この落とし穴に気が付いたのは高校2年生の時でした(【画像④】は15歳の頃のこんまりさん)。

【画像④】

(近藤 麻理恵さん)
「そのストレスが頂点に達したのが、高校2年生の時です。いつものように『今日も何か捨ててやろう』と自分の部屋のドアを開けた瞬間、部屋にあるものすべてが黒いモヤモヤのように見え、『もう全部嫌いだ!』と思った途端、ストレスで失神してしまったのです」

「2時間後、誰にも気づかれずに目を覚ました時、不思議なことに、今度は部屋の中のモノがキラキラと光って見えました。そして、『もっと自分のことを見てください』という声が聞こえたような気がしたのです」

その時、雷に打たれたような衝撃と共に、片付けの真実に気が付いたと振り返ります。

「私の今までの片付けは間違っていた。片付けで大事なのは、捨てるものを探すことじゃない。残したいものを選ぶことだと」

つまり近藤さんは、家にあるモノの中から、自分が好きなモノ、持っていて幸せになるモノ、大切にできるモノ、すなわち「ときめくモノ」を選び抜くことこそが重要だと強く訴えます。