少年と面会した山口さん 彼から出てきた言葉は

【画像③】

2005年、京都医療少年院にいた少年との面会が、3回にわたって実現しました。これは、被害者と加害者の面会としては、初めてのケースだったと言います。

(山口由美子さん)【画像③】
「面会の部屋では、教官の方たちと一緒に少年が来るのを待ちました。別の教官に付き添われて、少年が入ってきました」

「事件で見たか細かった少年は、見違えるほど体格の良い青年に成長していました。驚きとともに、その姿に見入ってしまいました」

少年は、山口さんに深々と頭を下げ謝罪しました。

「大変なことをして申し訳ありません」、、、その謝罪が本心なのか疑念を抱く人もいたと言います。しかし山口さんは「心からの謝罪」だと感じたそうです。

山口さんは少年の隣に座り、手をさすりながら少年に声を掛けました。

「これまで誰にも理解されず、辛かったね」

そして

「だけど、あなたの罪を許したわけではない。許すかどうかは、これからです」
「これからのあなたの生き方を、私は見ています」

被害者が加害者を一方的に「許す」のではなく、事件によって断ち切られた関係性をもう一度結び直し、未来へ向かって歩み直しが続きます。