長年にわたって社会に貢献した人に贈られる秋の叙勲の受章者が発表されました。香川県では旭日章に11人、瑞宝章に54人が選ばれています。

旭日小綬章に選ばれた大谷早人さんです。

大谷さんは香川漆芸の技法のひとつ、「蒟醤(きんま)」の人間国宝で、同じく人間国宝だった太田儔(おおた・ひとし)さんに師事し、「籃胎(らんたい)蒟醤(きんま)」を受け継ぎ、発展させてきました。

竹ひごを編んで漆を塗り重ねた「籃胎」を彫り彩漆(いろうるし)で埋める、伝統の技です。
(大谷早人さん)
「日本人は昔から伝統的なものを作って、値段は高くなるかもわかりませんけど、作ったものを大切に使って修理しても使えるようなものを私は作っていきたい」

後進の指導や、瀬戸芸への参加などで漆芸の普及に取り組みながら、独自の世界を追求しています。
(大谷早人さん)
「自分の納得できる作品をこれから作っていこうと思うんですけど、なかなか納得できる作品はできないんです。自分で『ああ、いいのができた』と思えばそこでその人は止まってしまうんじゃないかと。作品を見て『ここはこう変えたらいい』『あそこはこう変えたらいい』と思いながら、それの積み重ねが自分の進歩にもつながるんじゃないかと思っているんですけどね」










