「見えないからこそ、見えてきたもの」があった それは...

岡山県立岡山盲学校の講師・竹内昌彦さん(取材当時70歳 現在79歳)。目は完全に見えません。8歳のときに失明しました。「目が見えなくなる」とはどういう状況なのか...竹内さんが教えてくれました。

(竹内 昌彦さん)
「あなたが目をつぶった、目を隠した状態ですよね。見えないんです、物が。8歳、9歳までは、遠くは見えるけれど色も形も分かった。その記憶は今も残ってる」

「ですから、今見えないんですけど、ここに机があり、そこにあなたがおられ、こちら側にもう1人の方がおられ、そういう姿は目の前にあるんです」

「虚像ですよ。見えてないんですから」

今は、その目で光を感じることもありません。しかし、何も見えなくなったからこそ、「見えてきたもの」があるといいます。

(竹内 昌彦さん)
「優しさとか、思いやりとかね。『目で見えないもの』にかなり重要なことがあるということです。気づいたことがある訳だから、自分が知ったことを大事なことはみんなに知らせたい」