高校の魅力を高めようという取り組みです。瀬戸内市邑久町の高校の生徒が、“ヨーロッパの伝統的な壁画の技法” を使い、四季をテーマにしたアート作品に制作しています。

「ゆっくりで、あまり力を使わずにこれを削りますよね。まだここもやわらかいけど、ゆっくりでポンポン、オッケー?頑張って」

邑久高校の生徒が作品を描いているのは、体育館の壁。ヨーロッパの伝統的な壁画技法「ズグラッフィート」による作品です。


レンガづくりの建物が多いヨーロッパでは、教会や城などでよく見られる技法で、「黒のベンガラを混ぜた下地」に「白の石灰」などを重ねて塗り、“かきべら”と呼ばれる道具で削って描きます。

四季をテーマに4つの壁画を制作しています。


(邑久高校美術部1年 本並月葉さん)
「強い力で削らなくても、スッと削れるのでそこが気持ちいいです」

(邑久高校美術部1年 川口紗弥さん)
「壁画に関する仕事につかないと出来ないものだと思っていたので、楽しい経験になりました。壁画が完成したあとも、この高校に通ってくれる方に “壁画の桜”を見てほしいなと思いました」

国際文化への理解と、地域への愛着を深めてほしいという作品は、来年の夏に完成する予定です。指導を担当した瀬戸内市在住でポーランド出身のアーティスト、ラデック・プレディギェルさんは、アートがあふれる街を期待しています。

(ラデック・プレディギェルさん)
「毎日の生活の街の中で、『デコレーションとアートを見ること』は気分が上がりますから、これを広げていけたら本当にうれしいと思います」


生徒たちの思いが込もった瀬戸内市の新たなシンボル。今後はお披露目会も開かれるということです。