防犯カメラが普及する中、未だ捜査の現場で力を発揮すると言われるのが似顔絵です。毎年実施されている警察官たちの講習会を取材しました。

指導官「けっこう目立つのがほうれい線(加齢で)はっきりしてきます」

警察官の似顔絵技術の向上のため、毎年開かれている講習会。警察官およそ40人がベテランの鑑識指導官から手ほどきを受けました。

まずは1枚、写真を見ながら似顔絵を描いてみます。

続いて、1分間だけモニターに表示された写真の特徴を思い出しながら描いてみますが…?

「髪の毛が分からん…」
「30点 服装とか全然見てなくて目とか鼻しか覚えてなかったので」
「印象に残ったところしか覚えてなくて難しい。涙袋を描くのに集中していました」

人の記憶のあいまいさ、そして、限られた情報から作る似顔絵の難しさを実感したようです。

続いていよいよ応用編。事件を目撃した人から犯人の特徴を警察官が聞き出すとの想定で2人一組で似顔絵を作成します。

目撃者役「(髪は)直毛です」

警察官「直毛の表現がちょっとねえ…(目撃者役チラ見して)ちょっと違う?目撃者役:うなずく)まったくわかりませ~ん…」

講師を務めたのは似顔絵歴20年以上の岸田鑑識指導官。デジタル化が進む中でも、似顔絵は現場ですぐに力を発揮するといいます。

熊本県警 鑑識課 岸田正文 鑑識指導官「紙と鉛筆と消しゴムさえあればすぐに描けるし、現場ですぐに訂正できる、そういった面が優れたところだと思う」

今年度、県警が作成した捜査用似顔絵は67件。そのうち9件が犯人の特定につながっています。岸田鑑識指導官が思う捜査用似顔絵の極意とは。

岸田 鑑識指導官「捜査用似顔絵は美を追求するものではなく、犯人を追及するもの」

この「似顔絵書き」に記者も挑戦しました。