青森県の会社が製造した駅弁を食べた全国の約100人が体調不良を訴え、食中毒の疑いがあるとみて、保健所が調べるニュースが報道されました。

気温がまだまだ高い今の時季、引き続き衛生管理などに注意を払う必要があります。

食中毒を未然に防ぐために私たちができることは?7月に配信した特集記事を再公開します。(初出:2023年7月31日。年齢、肩書は当時のまま)

食中毒防止のため家で気を付けること

暑い時季、熱中症に加えて気を付けなければならないのが『食中毒』です。お弁当など食品の管理は大丈夫ですか?

猛暑が続く熊本県内には、7月25日から31日まで食中毒警報が発令されています。

では、8月1日以降はどうなるのでしょうか。

予想最高気温が35℃以上だと継続されますが、8月1日以降も予想気温は36℃や35℃が続きます。しばらくは警戒が必要になりそうです。

熊本県健康危機管理課 笹岡奈々さん「1番増殖の早い菌で2時間後には食中毒を起こす菌量まで増殖するので、作った料理はすぐ食べてください」

弁当の場合は十分に冷まし、抗菌シートを用いることも効果的です。

笹岡さん食中毒菌をつけない、増やさない、やっつける。この3つをきちんと守れば、重大な事故は起きないと思いますので実践してもらえれば」

食中毒対策で重要なのが「素手で触らない」ことです。

おにぎりを作る際、付着する菌の数を調査したデータがあります。

「水で手を5秒洗って素手で握る」「石鹸で洗い、素手で握る」「石鹸で洗い、ラップで握る」という3つの条件で比較されたものですが、結果は一目瞭然。

ラップで握れば、おにぎり1グラムあたりの黄色ブドウ球菌は10時間後も「0個」のままでした。

一方、「石鹸で洗い、素手で握る」場合は直後が「100個」だったのに対し、10時間後には「1.6万個」に増加。

また、「流水で5秒洗って素手で握った」場合は直後が「200個」だったのに対し10時間後には「110万個」へと増加しました。

「素手で触る」と食中毒のリスクが高まることがよくわかります。

また素手で触らないことに加え、ご飯を詰めるケースをあらかじめ冷凍庫に入れて冷やしておくことで、ケース自体が保冷剤代わりになる商品などを活用してもいいかもしれません。

「料理を作るとき」「保管するとき」のそれぞれで対策を取ったうえで、もし見た目やにおいに異変を感じたら「食べない」ことも重要です。