2016年4月の熊本地震の発生から10年が経過しました。

民間の調査会社(東京商工リサーチ)の最新のまとめによりますと、今年3月末までに全国で発生した「熊本地震関連」の倒産は、累計で74件に上ることが分かりました。

負債総額は335億8300万円となっています。

2011年の東日本大震災では、発生から10年で約2000件の関連倒産が発生したことと比較すると、熊本地震の影響による倒産は過去の震災より低水準で推移しています。

これは、震災の規模だけでなく、地震直後から、国や自治体、金融機関などによる迅速な資金繰り支援やグループ補助金などが実施され、企業の連鎖的な倒産が抑制されたためと分析されています。

倒産した企業の内訳を見ると、小規模零細企業の厳しさが際立っています。

従業員数別では5人未満の企業が45件と最多で全体の約6割(60.8%)を占めています。

負債額別では1億円未満が47件(63.5%)で最多となっています。

もともと経営基盤が強くなかった小規模企業が、震災による直接的な被害やその後の間接的な影響をきっかけに、復興需要を取り込むことができずに行き詰まるケースが目立ちました。

地域別では、地元・熊本県が60件(81.0%)と圧倒的に多く、次いで鹿児島県、長崎県、福岡県と隣県が続いています。また業種別では、観光や飲食を含むサービス業他が25件(33.7%)と最も多く、次いで製造業、卸売業の順となりました。

関連倒産は2024年1月を最後に発生しておらず、経済活動はすでに正常化していると言えます。

現在は、復興需要が一巡した一方で、台湾の半導体大手TSMCの進出に伴う半導体関連の需要が拡大しています。熊本県内の中小企業の売上成長率は全国トップクラスとなり、県内総生産が初めて7兆円を超える見通しとなるなど、熊本経済は今、大きな飛躍の時期を迎えています。

<負債額の大きい10件>負債額・商号※旧商号・都県・業種・年

●71億円 ヤマイ 熊本 不動産売買、賃貸、仲介 2016年
●64億円 大分観光開発 大分 ゴルフ場経営 2018年
●37億円 東洋館 長崎 ホテル経営 2017年
●24.9億円 アヴェル 熊本 ペット用品・日用雑貨ネット通販 2019年
●22億円 クルミ清算※旧千興ファーム 熊本 馬肉解体処理、馬肉加工 2020年
●15.1億円 イエリデザインプロダクツ 東京 婦人ニット製品企画卸 2016年
●15.1億円 エーディーシステム 鹿児島 金型製作、プラスチック部品製造ほか 2016年
●14.4億円 春日管財※旧ジェイアンドジェイ 熊本 居酒屋経営 2018年
●12.5億円 日本牛乳野菜 熊本 野菜系飲料製造、モミ付玄米飲料製造 2017年
●5.1億円 ロイヤルホリデー 福岡 旅行業 2021年