【通町?手取本町?】
通町筋の南側、熊本市役所やHAB@、鶴屋が並んでいる場所は、町名としては「手取本町」で、「通町」ではありません。江戸時代から明治初期までは、現在の手取本町の西半分、市役所から籠町通り付近までが「通町」でしたが、1880年(明治13年)に手取本町に統一され、町名としての「通町」はなくなりました。しかし「通町筋」という通りの呼び名は残り、150年近く経った現在でも広く使われています。
ところがややこしいことに、熊本の市街地にはこことは別に「通町」という町名があるのです。

「通町」の町名表示版。画面奥にRKK本社が見える(中央区通町・2026年4月撮影)

町名としての「通町」は、RKKがある山崎町の南隣、長六橋の近くの狭い範囲です。1880年(明治13年)発行の地図には、既にこの付近が「通町」と記されています。上述の通り同じ年に市役所前の方の「通町」はなくなっています。ではそれ以前は「通町」が2つあったのか、それともこの年に入れ替わりで現在の「通町」が作られたのか。そもそもなぜここが「通町」なのか。残念ながら手元の資料からはわかりませんでした。

<参考文献>
「新熊本市史」(熊本市)
熊本市都市政策研究所「熊本都市形成史図集」(熊本市)
熊本地名研究会「くまもと城下の地名」(熊本日日新聞社)
熊本地名研究会「熊本の消えた地名」(熊本日日新聞社)
中村弘之「熊本市電が走る街 今昔」(JTBパブリッシング)