日々人々の足として働く鉄道。快適な旅を提供するには、車両の美しさ、清潔さは欠かせません。映像は昭和59年(1984年)の2月、夜を徹して車輌の清掃に励む国鉄熊本客車区の人達の様子です。当時のニュースはこう伝えています。
「ここは、熊本市白藤町にある国鉄の熊本客車区・川尻支区です。午前0時、熊本駅から川尻駅に回送された特急有明が旅の垢を落とすために到着。作業が開始されます。


まず、車内の清掃です。13人の作業員が座席の入れ替えの後、床などに散乱した新聞紙や雑誌、ビールの空缶などを素早く集めていきます。続いて、モップや雑巾を使っての拭き掃除ですが、たまには床にチューインガムがくっついていたり、汚物があったりで清掃に手間取ることもあるそうです。


さて、車内清掃のあとは外側の洗浄作業が行われます。冬場は窓ガラスなどの凍結を防ぐ為、40度のお湯が使われ、また汚れを落とすのには塗料を傷めない特殊な薬剤が使われます。

この日はいつもより寒さは厳しくなかったそうですが、こうした作業は夜を徹して行われるため、朝方の冷え込みが厳しい日はお湯を使っても洗うそばから窓ガラスなどが凍りつき、大変な作業となります。先月の大雪の時には、車輌の屋根や足元の洗浄台に雪が積もり、スコップを使っての除雪作業をするという苦労もありました。

熊本客車区・川尻支区には熊本駅終着の特急など、殆どの車両が清掃に回されてくるため、現場では、ほぼ24時間休む間もなく、作業が続けられますが、作業に当たる人達はお客に快適で楽しい旅をしてもらおうと、厳しい冷え込みや雨風にも負けず、きょうも仕事に励んでいます」

国鉄はこの3年後、1987年に分割・民営化され、現在のJR各社になりました。映像の熊本客車区川尻支区の施設は、現在はもうありませんが、2010年にすぐ近くの富合町にJR九州の「熊本総合車両所」が開設されました。現在も、新幹線の車体の点検・整備のほか、車両洗浄システムを使った清掃が行われています。












