ウシを遺伝子で分ける、どうやって?

しかし、大量の乳牛をどうやって遺伝子型で分けるのでしょうか?

熊本県錦町の酪農家、立作浩一さん。酪農歴30年のベテランです。 

現在、「A2・A2型」の乳牛30頭を育てています。

酪農家 立作浩一さん 「牛乳を飲んだらどうしても、トイレが近くなっている人が、近くならない可能性があるっていうことは、消費者に受け入れられるんじゃないかっていうことで、取り組み始めたのが10年ほど前ですね」

10年の歳月をかけて「A2・A2型」のウシを選別した立作さん。欠かさず続けていることがあります。

酪農家 立作浩一さん「A2・A2の遺伝子型を持っていないといけないので、それを検査するために、今からサンプルを取ってアメリカに送ろうと思います」

生後1週間の子ウシに行うのは、遺伝子検査。個体識別の印を耳につける作業と同時に、検体を採取します。1か月後には遺伝子型が判明。A2型のウシたちを育て続けることで、A2牛乳の生産が可能なのです。

さらにこの検査では、ウシの健康状態も数値化。費用はかかりますが、A2牛乳の生産だけでなく、質の高い牛乳作りにもつなげています。

酪農家 立作浩一さん「病気をしない、乳成分が濃い。こういった一つひとつの……数%ずつですが、その数%が一世代ごとに伸びていくということがありますので。A2牛乳は今まで飲めなかった人たちという分母を増やせる、唯一の方法なんですかね」