知人男性が死亡したにも関わらず、その母親に入院費が必要だと嘘の電話をかけて現金を騙し取った男に、執行猶予付きの判決が言い渡されました。

判決を受けたのは、住所不定・無職の田上希典被告(40)です。

判決によりますと、田上被告は、2023年6月、同居していた知人男性がタイで病死したにもかかわらず、熊本市内に住む男性の母親に「息子さんがタイで交通事故に遭い、意識不明の重体です。入院に100万円が必要です」と嘘の電話をかけ、現金100万円を騙し取りました。

田上被告は今年8月の初公判で、起訴内容を認めていました。

11月5日の判決で、熊本地方裁判所の賀嶋敦裁判官は「子を思う親の心を踏みにじる卑劣な犯行というほかなく、被害額も高額」とした一方、「組織的に実行された事案ではなく、被害弁償もされている」などとして、田上被告に懲役2年・執行猶予4年の判決を言い渡しました。