熊本市の小学校から上靴43足を盗んだ罪に問われている男について、熊本地方裁判所は懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

千葉県の無職・光澤昇聴被告(45)は去年3月、熊本市西区と東区にある3つの小学校に侵入し、靴箱から児童の上靴、合計43足を盗んだ罪に問われています。

これまでの裁判で光澤被告は起訴内容を否認し、弁護側は「盗んだという直接証拠はなく、犯人性はない」として無罪を主張していました。

一方、検察側は懲役3年を求刑していました。

10月27日の判決で、熊本地裁の鈴木和彦裁判官は「光澤被告の自宅から各小学校から持ち出された上靴が発見され、事件前に経路を検索していた」とし、「光澤被告が犯人でないとすれば、合理的な説明は極めて困難」と指摘しました。

また、「過去に上靴窃盗で服役したにもかかわらず犯行に及んでいて、常習性は明らか」として、懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

光澤被告は今までの裁判で、上靴が自宅にある理由について「供養のため」と話していて、今回の判決でも鈴木裁判官は「同様の目的とみられる」と指摘しました。

光澤被告の弁護人は、控訴について「検討中」としています。