重大な事故やインシデントが相次ぐ路面電車の熊本市電について、抜本的に組織体制を見直し安全な運行につなげるため、専門家会議の初会合が開かれました。

熊本市電では、今年3月に起きた乗員乗客15人が重軽傷を負う追突事故をはじめ、去年から事故やインシデントが相次いでいます。

専門家会議は、交通局の運営に関わるあらゆる分野の立て直しに向けて設置されたものです。

委員は鉄道技術や交通システム、会計などの専門家9人で、委員長には東京大学大学院の古関隆章教授が就任しました。

委員からは「雇用の正規化による処遇の改善は、職員のモチベーション向上につながる」「設備の維持管理や技術の継承は人が変わっても継続・判断できるよう、基準を作るべき」などの意見が出されました。

ただ、一連の議論の中で特に意見が重ねられたのは、トップを含む組織風土の改革でした。

熊大名誉教授 吉田道雄委員「組織風土を作り上げるというか、変わっていく、洗練していくという意気込みが大切だ」

専門家会議は今年度いっぱい続き、報告書をまとめる方針です。