熊本労働局の審議会は、熊本県内の最低賃金について今より82円引き上げて「時給1034円」とするよう熊本労働局長に答申しました。

過去最大の引き上げ幅だった去年の54円を上回り、初めて1000円台に乗りました。
熊本地方最低賃金審議会の専門部会では、現在の952円に対し、労働者側は1130円、経営者側は991円への引き上げを提案していました。
一方で厚生労働省の中央最低賃金審議会(中賃)は8月、熊本での引き上げの目安を64円と示していて、これは地域間格差の解消などを目的に初めて都市部を上回る額でした。
こうしたことから、労使の間で激しい議論となりましたが、今回の改定額は、目安の64円を18円上回る「82円」という引き上げ幅となりました。

今回の金額について、審議会では15人の委員による採決になりましたが、使用者側の5人は激しく反発して、2人が反対、3人が退席しました。
物価が上がっても価格への転嫁が進まない経営状況などが背景にあります。

九州7県のうち福岡県が1057円、鹿児島県が1026円となっていて、現状では 熊本県は九州の中で2番目に高い地域になる見通しです。
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▼いくら引き上げ?熊本の最低賃金「時給952円」 労働者側は「1130円」経営者側は「991円」提示