平成30年(2018)4月、奥球磨の里・水上村(みずかみむら)を上空から撮影しました。奥球磨とは球磨盆地の最も東側、宮崎県との県境に位置する多良木(たらぎ)、湯前、水上(みずかみ)の3町村を指し、球磨盆地の奥座敷とも呼ばれます。当時ニュースはこう伝えています。

「標高1721mの「市房山」です。古くから霊峰として信仰され、地元の人には「お嶽(たけ)さん」の愛称で親しまれてきました。


市房山をご神体とする神社が4合目にある「市房山神宮(いちふさやまじんぐう)」です。神社へと続く参道の脇には樹齢1000年とも言われるご神木の市房杉が立ち並びます。


狛犬ならぬ『狛猫(こまねこ)』が山門の両脇にいる寺、「生善院(しょうぜんいん)」です。その昔、この地を治めていた相良氏の殿様が、化け猫の怨霊に悩まされ、それを鎮めるために建てたもので「猫寺」と呼ばれています。敷地の奥にあるかやぶき屋根の観音堂は、国の重要文化財に指定されています。

1960年に完成した多目的ダム「市房ダム」です。大雨の際の洪水被害を防ぐとともに蓄えられた水は農業用や発電用にも利用されています。

ダム湖の中央からは噴水が80mの高さまで吹き上がり、天気に恵まれた時には虹がかかることもあります。

一方、ダム湖の周回道路には一周13.4キロメートルにわたり1万本の桜が植えられています。この春も見事に咲き誇り、湖や山々と織りなす桜景色が訪れた人たちを魅了しました」