「懲らしめ」から「立ち直り」へ

刑務所のあり方は大きな転換期を迎えています。

例えば、高齢化への対応もそのひとつです。穏やかな音楽が流れる部屋の中で折り紙やパズルをして過ごしているのは高齢の受刑者たちです。

熊本刑務所では服役している受刑者の3人に1人が65歳以上で、高齢の受刑者たちには認知機能や体力が低下しないようなプログラムが取り入れられます。

この他にも・・・

熊本刑務所 大坪誠所長「規律重視の処遇方法から対話による処遇への転換を図っている。リフレクティングもその一つ」

『リフレクティング』とは、受刑者がまず、自分の話したいことを2人以上の他者に話し、その後、聞き手同士がその感想などを話し合います。

受刑者は、その会話を聴くことで自分とは違う他人の考え方を理解したり、自分の考えを見つめ直したりすることができるというものです。

無期懲役の受刑者(60代)「自分が社会で起こしたことを誰にも話せないのが大きな負担になっている。それを話せるようになってものすごく気が楽になる。そういうやり方もあるんだそういう考え方もあるんだとわかるようになった」

2022年に名古屋刑務所で発覚した、刑務官による受刑者への暴行事件も変化のきっかけの一つで、こうして受刑者と刑務官が対等な立場で会話をすることも以前まではありえなかった光景だといいます。