熊本市電の運転士不足に対応するため、市側が非正規職員の給与を引き上げる方針を正式に示しました。
熊本市電を巡っては、運転士のほとんどが非正規職員にあたる会計年度任用職員で、退職が相次いだことなどから運転士不足が深刻化しています。

そのため熊本市電は来年(2025年)4月に上下分離方式を導入し、運転士の正規職員化を目指していました。しかしインシデントが相次いでいることなどから「安全確保を優先する」として導入の延期を発表しました。
これを受け、熊本市交通局は来年4月以降の運転士の待遇を改善するため、12月3日の市議会で新たな方針を示しました。
熊本市交通局 井芹和哉交通事業管理者「給料表の拡充や扶養手当、住居手当の支給についても検討している」

引き上げの時期は未定ですが、昨年度と比べて平均で年間約96万円の給与を上積みすることで、正規職員の水準に合わせるということです。
九州各地の路面電車 待遇は?
熊本市電(熊本市交通局)では運転士の大半が非正規職員ですが、九州で路面電車を運行している他の都市ではどうなのか、鹿児島と長崎に聞いてみました。

まず、鹿児島市電(鹿児島市交通局)では運転士のほとんどが正規職員で、非正規は短時間のパートをする数人程度ということです。
また、私鉄の長崎電鉄(長崎電気軌道)では、そもそも非正規の運転士はおらず、熊本市電の待遇の悪さが目立つ印象です。