いわゆる「松橋事件」を巡り、再審無罪となった男性の遺族が捜査の違法性などを訴え、国と熊本県に損害賠償を求めている裁判で、原告側が求めていた証人尋問が行われることになりました。

原告側弁護団によりますと、熊本地裁で行われた7月25日の弁論準備手続で、捜査に関わった当時の主任検事と警察官について、原告が求めていた証人尋問を熊本地裁が行うことを決めました。
この決定について原告側弁護団の村山雅則(むらやま まさのり)弁護士は「裁判所としても関係者の話を聞いて適切な判断をしたいとの気持ちの表れだ」と歓迎しました。
証人尋問は、次に口頭弁論を開く9月13日に行い、12月13日に結審して来年3月末までに判決が出る見通しだということです。
松橋事件は1985年、当時の熊本県松橋町、現在の熊本県宇城市松橋町の町営住宅で59歳の男性が殺されているのが見つかった事件です。警察などは、被害者と知り合いだった宮田浩喜(みやた こうき)さんが犯人だとして、遺体発見から12日後に殺人などの疑いをかけて逮捕しました。
宮田さんは裁判で無実を訴えましたが裁判所は認めず、懲役13年が確定して服役しました。しかしその後、捜査機関が宮田さんにうその自白をさせた可能性が強まり、2016年に熊本地裁が再審(=裁判のやり直し)を決め、2019年に無罪が確定しました。
しかし再審の判決では誤った判決に至った理由などは触れられなかったため、宮田さんは捜査の違法性などを明らかにするため、国と熊本県を相手取り約8500万円の損害賠償を求める裁判を2020年に起こしました。
宮田さんは裁判を起こした直後に87歳で亡くなったため、裁判は遺族が引き継いでいます。









