■ 被災者を狙う悪徳業者の存在

2020年 7月豪雨の被災者と契約した一部の業者との間で、住宅などの再建工事を巡り「代金を支払ったのに工事が始まらない」「連絡が取れない」などのトラブルが相次ぎ、問題となっています。

被害者の弁護団によりますと、トラブルを起している2つの業者はどちらも熊本県外からやってきた業者で東日本大震災や熊本地震などでも同じ様なことを繰り返してきた疑いがあるといいます。

私たちが悪質な業者を見抜く方法はあるのでしょうか?
熊本豪雨建築被害者救済弁護団の団長・原 彰宏 弁護士に聞いてみました。

原 彰宏 弁護士
--業者選びで「危ない」ところを避けるにはどうしたらいいでしょうか?

原 弁護士
一般的に【個々の業者が危ない】ということを事前に見抜くのは、正直言って至難の業。災害が起きたので家をどうにかしないといけないとなった時に、業者が入り込んでくることがありますが、気を付けて欲しいのは以下の3点です。

① 本当に必要な工事なのか見極める
② 見積もり書は複数の業者を比較検討して、その中でより最適な工事をやってもらう
③ こちらが聞きたいことに関してちゃんと答えてくれないような業者は危ない


こういったことに注意しながら、契約するかどうかを慎重に検討して欲しいと思います。
一度、契約をしてお金を支払ってしまうと、それを取り戻すというのはかなり困難になることがあります。だから、この3点には注意してほしいと思います。

業者の事務所はもぬけの殻
--今回、問題となっている業者は県外から入ってきていますが「県外から入ってきた業者は怪しい」と見た方がいいのでしょうか?

原 弁護士
必ずしもそうだとは限りません。ただ一般論として、実績のない県外の業者は地元では信用のおける業者ではないと思いますし、今回の2つの業者で言えば、東日本大震災や熊本地震の時に入り込んできたという情報もあり、被災地を渡り歩いているようなところが見受けられます。
信頼できる業者かどうかの見極めはなかなか難しいところですが、できれば地元の業者で、評判がきちんとしているところを選んだ方が無難ではないでしょうか。