◆「家族」とは何かを肌で感じさせる
中には、小さな時に親元を離れた子もいます。松島さんは、実家や友達も一緒になって、子供を見守るようにしているのだそうです。
松島:私の両親も子供に今関わってくれている。ここのスタッフも関わってくれている。私の友人・家族も子供に関わってくれているんですね。思春期になって私と子供の間でうまくいかない時に、「私も知っている周りにいる人たち」を子供たちが頼っていけるように。いつか絶対来るので私とぶつかる時が。うちの姉夫婦も子供たちと関わっていますし、お正月はもう毎年実家に帰って、お年玉をもらっておせち料理を食べてということもしますし、お盆には迎え火・送り火、全然会ったこともない私の祖父母の仏壇に手を合わせますよ。施設ではできないことですよね。
松島:みんなに家族がいて。その顔が見えないんですね。本当にわからないんですよ。「自分にお父さんがいる」とわかってないとか、「人がどうやって生まれるか」とか本当にわかってないです。私の姉に「お母さんは誰?」と言うんですよ。先祖とか意味がわからないと思います。だから法事も連れて行くし、お盆のこととか、いろいろ経験・体験させること、ものすごく大事だなと思います。
それぞれの育親が、それぞれ自分なりに文化を造って、子供に接している訳ですね。施設勤務の体験もあるからこそ、施設にない面を活かせないかと考えて模索しているようにも思いました。ほかの育親にもインタビューしているので、今後紹介していこうと思っています。
◆神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。報道部長、ドキュメンタリーエグゼクティブプロデューサーなどを経て現職。近著に、ラジオ『SCRATCH差別と平成』やテレビ『イントレランスの時代』の制作過程を詳述した『ドキュメンタリーの現在 九州で足もとを掘る』(共著、石風社)がある。80分の最新ドキュメンタリー『リリアンの揺りかご』は3月30日、TBSドキュメンタリー映画祭・福岡会場で上映予定。







