福岡県と大分県で40人が死亡、2人が行方不明になっている「九州北部豪雨」から、5日で5年です。甚大な被害が出た福岡県朝倉市では、いまも復旧工事が続いています。ふるさとを離れた人たちも少なくない一方で、行政と連携して魅力ある集落にしようと住民たちは前を向いています。

◆九州北部豪雨で40人死亡、2人不明


朝倉市の黒川地区。山々に囲まれたのどかなこの地域を、5年前、未曾有の豪雨が襲いました。

九州北部豪雨。福岡県と大分県で40人が死亡、2人がいまも行方不明です。黒川地区に設置された雨量計では、9時間で774ミリの雨を観測、集落は濁流にのみ込まれました。


あの日から5年が経ち、ようやく一部で工事が完了し耕作が始まりました。

◆米作り再開も問題に直面

農家 林利則さん「待ちに待ったものができ上がったかというような感じですけれども」

今年から米作りを再開した林利則さんです。しかし、早くも問題に直面しています。


林利則さん「石混じりの土手を作ったがゆえに、だんだん崩れてきて、最終的にはもうブルーシートをかけざるを得ないと。何か所もそんな感じですね。」


土手にはいくつもの石が・・・、石と石との隙間をぬって水が流れ出るため、土手が崩れやすくなっています。さらには・・・

林利則さん「埋まったんです。それで、もうトラクターが前にも行けん後ろにも行けんってことで、向こうから重機で引っ張ってあげてもらいました」


土が柔すぎる場所があり、作業が思うように進まないこともあったそうですが、新しい田んぼで何とかおいしい米を作ろうと試行錯誤を重ねています。

林利則さん「できるだけ、きれいで美味しいお米をやっぱり作らないかんなと思いながら、栽培をしております」