北九州市小倉北区の旦過市場一帯で起きた大規模火災は19日で発生から1か月が経った。復興の妨げとなっているのががれきの撤去だ。すべて撤去するにはどれくらいの費用と期間がかかるのだろうか。

RKB尾川真一「旦過市場の中から火があがっています」

先月19日の未明、北九州市小倉北区の旦過市場一帯は激しい炎に包まれました。火は瞬く間に広がり、食料品店や飲食店など42軒、約1900平方メートルを焼きました。

RKB下濱美有
「火災から1か月。市場には人通りも少しずつ戻ってきています。ただ大きな被害がでた店は鉄板で囲われ、奥には今も瓦礫が残されています」

最も大きな被害が出たのは「新旦過地区」。1か月が過ぎた今も大量の瓦礫が手付かずの状況だ。撤去するためにはどれくらいの費用や期間がかかるのだろうか。

飯塚市の中心部に飯塚本町商店街がある。

縄田真照さん「ちょうどこちらの裏の通りですね、樽屋町という飲み屋街だったんですけれど」

2008年の火災(飯塚市)

この商店街でも2008年に大規模な火災が発生し、商店など44軒、2700平方メートルが燃えた。履物店を経営する縄田真照(なわた・まさてる)さんの店は全焼した。地図を元に説明してくれた。

縄田さん「この辺とこの辺も燃えましたね、あとはここの囲いのところ。火がまわるのは早かったですね。もう商売はとてもできないとそのときは思いました」

復興に向けて課題となったのがやはり「がれきの撤去」だった。

縄田さん「いっぱい積まれていましたね。2300万円くらいかかったんですけれどその中で義援金を1800万円使わせて頂き残りの500万円を地権者やテナントで自己負担した」

商店街など民間の建物が被災した場合、がれきを撤去する費用は自己負担となる。飯塚本町商店街では「被災者の会」を設け義援金を募った。2700万円が集まりその一部をがれきの撤去にあてたという。

縄田さん「自己負担するととてもじゃないけど一軒何百万になるから撤去だけでもできるところできないところが生じるので、義援金はありがたかったです。さら地にしないと復興も何もできませんので」

がれきの撤去には4か月かかり縄田さんが店を再開したのは火事から1年以上あとのことだった。
縄田さん「旦過市場は火災があってまだ1か月くらいでしょうからとりあえずは瓦礫の撤去が優先されることだと思いますし、さら地にするまで皆さんの思いが一つにできる時期かと思います」

RKB下濱美有「旦過市場ではがれきの撤去を来月から始める予定です。ただ、建設機械を中にいれるためにアーケードを取り壊したり街路樹を切ったりする工事も行う可能性があり、費用がかさむことも予想されます」

もともと再整備が予定されていた旦過市場


旦過市場はがれきの撤去にかかる費用を数千万円と見込んでいる。これから本格的に見積もりの計算をする。一方、市場では北九州市の「再整備事業」も予定されている。事業をどのように進めるかなどのがれき撤去が終わったあとも解決しなければならない課題が残る。


北九州市建設局 神嶽川旦過地区整備室・草野尚嗣さん「事業は市場や被災された皆さまの意見を聞きながら影響を検証していくことになる。計画そのものは関係者と長年話し合ってきたものなので、でできるだけ影響がない形で取り組んでいきたい」