「そんな大したもんじゃない」と思ってやっています

Q 声優の力もムーブメントに寄与していると感じます。
声優 関智一さん
さあ、どうなんでしょう。どうなんですかね?
大した力じゃないと思いますよ。アニメってそれぞれの「分担」じゃないですか。
例えばドラマの俳優だったら、全部自分が出て、責任持ってその役として色々、例えば体作りなどから始まったりしますよね。
その役に合わせて太ったり、トレーニングしたりといったものがありますね。
ですがアニメの声優としては、そこはもう全て「絵」が担ってくれていますから。
俳優にとっての「身体つくりの負担」は作画の方たちが担っている。
だから絵を描く人たち、アニメーターさんもそういう意味では「俳優」ですよね。

Q なるほど。
役作りをしてくれているのが、作画・アニメーターの方々ということですか。
声優 関智一さん
そう。アニメーターが役作りを主にしてくれている。
それを頼りに我々声優は声の部分、セリフの部分だけを担ってやっているのですから。声優だけでは、アニメは成り立たない。だからと言って「絵だけ」でも成り立たない。
ですから完成に向けて、声優とアニメーターが一緒に作業している、みたいなとこかな。
別に声優の力ってそんな大きくはないと思うんですよね。
「替えもきく」じゃないですか、言ってしまえば。

Q そうでしょうか、関さんは唯一無二の存在なのかと。
関さんでも「替えがきく」というのですか?
声優 関智一さん
そうですよ。それは全部そうかもしれない。
もちろん一般に俳優さんも含めて「替えの効かないもの」なんて、存在しないのかもしれないけど。
でもまあ声優って、そんなおごって誇れるようなものは何もないんじゃないかなって感じています。