「じいちゃんも気持ちに波があった」

筆談では、「終戦前の話を耳にすると嫌になります」とも書かれていました。
平本さんは、祖父と過ごした時間をこう振り返ります。

平本龍之介さん
「じいちゃんも気持ちに波がありました。
話したくない時もあって、話したい時もあって、バラバラだった。
戦争で自分が辛い思いをした。
身の回りにも亡くなっている人もいるし、
生きるためにいろいろな方法を取ったりとか、
人には言いたくない思いも持っていたと思います」
平本さんは、祖父との会話や遺品の卒業アルバムをきっかけに、資料を取り寄せ戦争について調べるようになりました。
戦争の歴史を正確に語り継ぎたいという強い思いがあったといいます。

平本龍之介さん
「歴史というのは強い国が弱い国を支配して中の事実を変えてしまう。
だから本当に事実は分からない。
いろんな人の情報を見て幅広く。そして事実に近いものを抽出しています。
日本は昔の人たちがやってきたことを曖昧にしたり、薄めたりしているから、
昔の人の戦争を忘れてしまっているというのもあって、忘れてほしくない」