外野手として異例のグラブのサイズ 昨季との違いはわずか「5ミリ」

2つ目の新しくしたことは、グラブの改良。改良ポイントは成形する前の、材料の段階の革。その縦の長さを、5ミリ短くした。
周東選手「内野をやっていたのもあるし、長いと取ってる感じが全然わからないので、小さい方が先にまで神経がいくのかなと思って、違和感あったら元に戻そうかなと思ったんですけど、キャンプ中使ってても全然違和感なかったので、今年はとりあえずそこで行こうかなという感じです」

周東選手のグラブなどを担当する用具メーカーの梅田歩夢(うめだ・あゆむ)さんは、今回の改良にも携わった1人だ。

久保田スラッガー・梅田歩夢さん「単純にサイズを小さくして欲しいという要望があって、5ミリと言ったら、『あんま変わらんやろ』と思うと思うんですけど、グラブの5ミリって、ものすごく変わって、全然サイズが違うんですよ。もしかしたら、プロ野球の外野手の中で、上位レベルに小さいのを使ってることになるかもしれないですね」
裁断時には、しっかりと定規で測って5ミリ短くするが、革と革を縫い合わせて、成形していくと、グラブはより小さくなる。感覚的に言うと、1センチ近く小さくなっているそうだ。
通常、外野手は、内野手と比べると、大きなグラブを使う傾向にある。外野に飛んでくる打球は、比較的、目測をつけやすく、俊敏性や小回りをきかせるタイミングが少ないため、大きいグラブの方がギリギリの打球を拾えるからである。

だが、あえて小さくするのが、周東選手ならでは。周東選手の調べでは、チームの外野手の中で、最も小さなグラブとなっているそうだ。この5ミリ短くしたことで、重量は約20グラム軽くなった。身近にある約20グラムの物というと、標準サイズの紙コップ(180CC)。少しでも軽くし、走りやすさを追求したのが、2025年型のグラブだ。

一方で、昨シーズン、ギリギリの打球を何度も拾い、自身初のゴールデン・グラブに輝いた周東選手。この「5ミリ」の差で、明暗が分かれる可能性も考えられるが…
植草アナ「野球って、1ミリの世界とも言われるじゃないですか。5ミリ小さくなった影響で、『コレ取れなかった』と言うのは…?」
周東選手「無さそうです。走ります、その分」

打撃では初めての最多安打のタイトルへ。守備では2年連続のゴールデン・グラブ賞を、新たなグラブとともにつかみ取る。