◆最近になって技術が確立 “遺物を未来へ”

海中に長年眠っていた木材は、もろく劣化しやすい。そのため、引き揚げられた碇は、約2年かけて糖類の一種・トレハロースで“補強”されることになる。

友田市長

松浦市・友田吉泰市長「海洋国家日本には水中遺跡が数多くあります。遺跡のある自治体で活用していこう、引き揚げようという世論が盛り上がっていくことが大切」

鷹島沖では、これまでの池田教授らの調査で複数の船が沈んでいることが確認されている。調査チームは、大型の木材を早く安く、そして安全に処理する方法を確立し、将来的には船の引き揚げを検討するという。

國學院大學・池田栄史教授「次に大型船が揚がったときにどのような調査をして保存するか分かってくる。碇はそのための貴重なサンプルなのでとっても楽しみにしている」

沈んだままの「元寇船」本体

海に眠る沈没船の保存やその活用法の確立を見据えた碇の引き揚げ。元寇の遺物を未来へ残すための取り組みは次のステージに向かう。