謎の送金売春で得た5800万円を岡村恵美被告に

これまでの裁判では、辻和美被告と知人の岡村恵美被告の不可解な関係にも注目が集まった。
和美被告は売春で得た収入を、自身のわずかな生活費を除きほぼすべて岡村被告に送金している。その額は、19年間で5800万円にのぼった。法廷で、和美被告は「借金返済」のためと繰り返したが、理由については「分からない」などと繰り返した。
弁護側はこの点に言及し情状酌量を求めた。
知人の女に「利用され、乗ぜられた」

弁護人「辻和美被告は、いついくら借りたのか、いくら返したのか、あといくら借金が残っているのか分からないまま、岡村恵美被告からお金を貸していると言われていたのでそれを信じて疑わずに返済を続けているが、通常であれば、本当に借金があるのか疑問に思い、岡村被告への送金を途中で止めると思われる。和美被告の責任能力を争うものではないが、何の疑問も抱かずに岡村被告への送金を続けた原因として、辻和美被告には自覚はないものの、知的障害、発達障害がある可能性を否定することはできないし、岡村被告に利用され、乗ぜられたことは否定できない」
裁判官3人と裁判員6人の判断は 8月1日に判決

これまで8日間にわたって行われた審理を聞いたが、随所で違和感を感じた。
5日の初公判。裁判長から、起訴された内容について認めるかどうか尋ねられた和美被告は、返答に時間を要した。弁護人から、そばで起訴状を見せてもらいながら説明を受け、質問に答えた。
起訴された内容について、すべてを理解してはいないように見えた。
被告人質問では、質問の内容を理解できずに聞き返す場面が1度や2度ではなかった。
なぜ、姉の辻つぐみさんは亡くなったのか。検察側と弁護側の異なる主張を、3人の裁判官と6人の裁判員が議論し判断する。判決は、8月1日に言い渡される予定だ。
RKB毎日放送 記者 浅上旺太郎