「ママへ」法廷で読まれた息子からの手紙

法廷では弁護側から息子が被告に宛てた手紙が紹介された。
「ママへママと会えなくて寂しいけど(中略)ニコニコですママもニコニコしていてね」
手紙が読み上げられると涙ぐむ裁判員の姿も見受けられた。
現在、息子は児童養護施設で元気に生活しているという。「もともとペーパークラフトなど1人で遊ぶことができる子だったけど、今までに聞いたことがなかった野球に興味を持ったと聞いて成長したなと思いました」(被告)
検察側が殺人未遂事件としては異例の保護観察付き執行猶予を求刑

29日の論告で検察側は「たった1人の頼れる存在の母親に首を絞められて将来の育成に悪影響を与える可能性がある」、「子供を一人で残してはいけないという一方的な考えで犯行は身勝手というほかない」としつつ「被害者である息子は被告と生活することを望んでいる」として懲役3年、保護観察付きの執行猶予を求刑。
一方、弁護側は「被告は不眠症やパニック障害、適応障害で肉体的にも精神的にも追い込まれていた」「二度とこのようなことを起こさないためには治療と支援が必要」と主張し、執行猶予付きの判決を求めていた。
裁判長から最後の意見があるかと尋ねられた被告は「一番苦しいのは息子に手をかけてしまったことで私の存在を少し悲しいものにしてしまったことです」。
さらに「この日まで経って生きていけるのは手紙にあった『ママに会えなくて寂しい』という優しい息子の存在がまだあると思うから。私は『生き方を間違えたのではなく、守り方を間違えた。』これからも大好きな、愛する息子と生きていきたい」と述べた。