ニューヨークを拠点に活動する現代美術家・野田正明さんが、母校の広島県福山市の小学校で「絵画」の授業を行いました。

「おはようございます」
現代美術家の野田正明さんは、福山市新市町出身。こちらの戸手小学校を卒業しています。野田さんの作品は市内各地に設置されていて、市民にも親しみのある美術家の一人です。

現代美術家 野田正明さん
「何を描けとは一切言いません。何でも良いです。泥遊びみたいなことを絵の中でやってください」

授業を受けるのは5年生の児童たち。ブルーシートを敷いた教室で、枝や、葉、ローラーなどを使って思い思いに画用紙に絵を描いていきます。時間が経つとともに子どもたちにも変化が…。手で絵の具をのばしたり、ちらしたり…自由な表現が次々と生まれてきます。

現代美術家 野田正明さん
「この授業で一番大切なのは高学年。要するにいろんな制約で固められて、ああだ、こうだと言われた中できゅっとなっている子を解き放つ」

5年生
「普段は決められたこととかで、自由にできないけどこういう授業だったら、自分の思い通りにできるから、自分の気持ちが伝わる絵になるかなと思いました」

児童たちは1人3枚程度、作品を仕上げました。

現代美術家 野田正明さん
「3つとも違うし、面白いですよね。色みんな違うでしょ。色の出方が面白いよな。決まり事一切、ないですから。ここがすごい大事なことですよね。だから、みなさんは自分の中に自分の可能性をどれだけ持っているかということをきょうは知ってほしかった」

5年生
「最初はどう描いたら良いか分からなかったけど、最後は次はこう書こうとかそういう気持ちになりました」

野田さんは児童たちに、「今回自分の絵を壊したように、自由な発想を大切にしてほしい」とエールを送りました。