「家族旅行で学校を休んでも欠席扱いにしない」全国でも珍しい取り組みが大分県別府市で始まりました。制度導入の背景には観光都市ならではの事情がありました。

旅というものは教育の一貫

全国有数の温泉観光地・別府市。ここ湯の街で小中学生を対象に新たに導入された新しい休み方、「旅」「スタディ」を組み合わせたその名も『たびスタ』です。

別府市教委 古本昭彦部長:
「旅というのが子どもの成長に寄与できる。『たびスタ』という名前で発信させていただいている」

この制度は市内の小学生と中学生が家族旅行で学校を休んでも欠席扱いにせず、保護者が事前に申請すれば年間3日まで休暇を取得できます。こうした制度は愛知県が今年9月、全国に先駆けて「ラーケーションの日」(「学習」ラーニングと「休暇」バケーションを組み合わせた造語)として導入しています。

新しい取り組みについて地元の反応は?

別府市民:
「土日休みがないので、子どものためにいいと思った」「平日旅行に行けるのは価格も安いし、家族も休み取れるのでいいと思う」

制度導入の背景には別府市ならではの事情があります。市内では第3次産業就業者数の割合が85.4%(全国平均72.8%)と高く、特に宿泊業・飲食サービス業に携わる人の割合は10.6%で、全国平均(5.6%)より2倍近く多くなっています。このため、家族と過ごす時間を増やしてもらうのが狙いです。

別府市教委 古本昭彦部長

別府市教委 古本昭彦部長:
『旅というものを教育の一貫だ』という捉え方ができることから、これを推奨することで児童生徒の成長に寄与できる」