夏休みが終わるこの時期は子どもが不安を抱えやすいと言われます。様々な悩みを電話で受け付けているチャイルドラインの担当者に子どものSOSにどう気づけばいいのか聞きました。
今年6月、「こども基本法」が国会で成立し、子どもの権利を守る法整備が進んでいます。児童虐待や不登校が深刻化する中、子どもの人権への関心が高まっています。
チャイルドラインおおいた・平井貴美子代表:
「環境が変わるとき、子どもたちの不安な気持ちがとても大きくなります」

チャイルドラインおおいたの平井代表は「夏休み明けは子どもの心が不安定になりやすい」と指摘します。実際、全国で2021年度のチャイルドラインへのアクセス件数は8月が5万7356件と最も多く、次いで9月が5万5008件となっています。これを受けてチャイルドラインでは9月4日まで全国キャンペーンを展開。体制を強化し相談にあたっています。

平井代表:
「自分を見失ってこのままでいいのかという声が本当に多い。友達もいて勉強もできて元気なお子さん自身が一緒に集団にいるのに自分は1人で孤独を感じている」
相談内容の内訳(電話・2021年度)は「自分自身」が49%、「学校」が18.9%、「性」が16.5%、「家庭」が10.7%などとなっていて、「自分自身」が全体の半数近くを占めています。「自分に自信が持てない」と不安を抱える今の子どもたちの実態がうかがえます。チャイルドラインおおいたでは幅広い子どもたちの声に耳を傾けようと、3年前からチャットによる相談も受け付けていて利用は増加傾向です。

平井代表:
「雑談から拾うことがある。たわいもない話をしてきて話せるなと思った時にポロっと本音が出てくるんです。(大人が)この子はどんなことを考えているのかな、何か言いたいことはないのかなという気持ちで見守ると全然違ってくると思います」
大人は自分が聴きたいことを聴くのではなく、子どもが話したいことに耳を傾ける姿勢が大切といえます。チャイルドラインでは電話(0120-90-7777)とオンラインチャットで9月4日までの午後4時から午後9時まで相談を受け付けています。