海上自衛隊で勤務していた息子が自殺したのは 上官によるパワハラや長時間労働が原因だとして、両親が国を相手におよそ7,800万円の損害賠償を求める裁判を起こしました。

亡くなったのは長崎県佐世保を母港とする護衛艦『あけぼの』の乗組員だった 西山大弥さん、当時20歳です。

訴状によりますと、西山さんは2020年9月頃、未成年ながら同僚と飲酒したため、上官から反省ノートを毎日書くよう指導され、艦から出ることを無期限で禁止されました。

おととし2月には、アメリカ軍基地内でファストフードを買って艦に戻ったところ、複数の上官が「禁止事項だ」と厳しく叱責。

西山さんはその翌日、艦内で自殺しました。
西山さんの自殺は、その後『長時間の時間外労働によるうつ病が原因』として “公務災害”に認定されました。

西山さんの両親は「上官の指導はパワハラにあたり、自衛隊は安全配慮義務を怠った」として、5日までに 国に対し およそ7,800万円の損害賠償を求め 提訴しました。

訴えについて海上自衛隊では「自殺があったのは事実。訴状が届いた時点で関係機関と検討のうえ適切に対応する」としています。