高市総理大臣は9日、長崎市の平和祈念式典に参列したあと午後から記者会見を行い、長崎大学の研究グループが原爆の内部被ばくの可能性を示唆する論文を発表したことについて、「現在は係争中の訴訟に関するものでもありますので、お答えは差し控えさせていただきます」と述べました。

被爆者と認定されていない「被爆体験者」の救済については、被爆者と同等の医療費助成を実施していると説明しました。

以下、会見の全文です。

【NHK長崎】
先月、小泉防衛大臣が核兵器に関する議論に言及し、被爆者の激しい反発を招いています。安全保障環境の変化を理由に安保3文書の改定が議論される中、政府は非核三原則を今後も揺るぎなく堅持するお考えに変わりはないか?

唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約の再検討会議へのオブザーバー参加を含め、どのような姿勢で核軍縮を進めるのか?

また、長崎大学の研究グループが原爆の内部被爆の可能性を示唆する論文を発表しました。内部被爆の人体影響、その可能性を訴えている被爆体験者の救済について、高市総理のご見解をお聞かせください。

【高市総理大臣】
はい、ありがとうございます。まず、3文書の改定につきましては、まさに年末に向けて検討を進めているところでございますので、その書きぶり、そのものについて予断するということは差し控えます。
ただ、政府としては非核三原則、これは政策上の方針として堅持しているということに代わりはございません。

そして、私自身も核兵器不拡散条約の締約国であるということを非常に重く考えております。日本は同条約を日本は同条約を遵守するということも、これまでも申し上げてまいりました。

核兵器禁止条約につきましては、核兵器のない世界への出口ともなり得る重要な条約であるという認識です。ただ、11月の運用検討会議も含め、同条約への対応については、国際社会の動向ですとか、厳しさを増す我が国周辺の地域情勢を見極めながら、我が国の安全保障の確保と、核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かという観点から検討する必要があると考えております。

核軍縮に向けてということですが、先ほど被爆者の皆様からお話を直接お伺いしました。長崎、広島の地で起きた悲劇は決して繰り返させてはならないと、改めて固く決意をしました。
政府としては、被爆者の皆様の声に耳を傾けながら、核兵器のない世界の実現に向けて、核兵器国と非核兵器国の双方が参加するNPT(核兵器不拡散条約)体制のもとで、現実的かつ実践的な取り組みを進めてまいります。

それからご指摘いただいた放射性微粒子による内部被爆についての研究論文が科学雑誌に掲載されたということにつきましては、厚生労働省から報告を受けておりますけれども、現在は係争中の訴訟に関するものでもありますので、お答えは差し控えさせていただきます。

被爆体験者の方々がご高齢になり、様々な疾患を抱えて長期療養を要しておられることから、幅広い一般的な疾病について被爆者と同等の医療費助成を実施しております。
すでに多くの被爆体験者の方にご利用いただいておりますので、こうした支援について着実に実施してまいりたいと考えております。

【NHK】
原爆による被害をめぐっては、指定区域外で原爆に遭った長崎の被爆体験者のうち、被爆者と認定されない人たちの救済策も課題として残っています。
総理は被爆者や体験者の要望を受け、課題をどのように認識し、解決に向けた救済策についてどう検討を進めていくかお伺いします。

また、人事についてお伺いします。さきの通常国会の閉会後の記者会見で、総理は内閣改造や自民党役員人事について現時点で申し上げることはないと答えられましたが、食料品の消費税減税の方針が決まり、熊本地震の対応もある中で、いつごろ内閣改造・党役員人事を行うお考えか、またその際に重視する点があれば教えてください。

【高市総理大臣】はい。被爆者認定されていない方々への救済策とのことですが、これは繰り返しになってしまいますが、被爆体験者の方々につきましては、ご高齢となり様々な疾病を抱えて長期療養を要しておられることから、幅広い一般的な疾患について被爆者と同等の医療費助成を実施しております。すでに多くの被爆体験者の方にご利用いただいておりますので、こうした支援を着実に実施していくということでございます。

それから人事についてお尋ねがございました。現在は令和8年熊本地震について被災者の皆様の状況やニーズに応じてできることは全てやるという姿勢で、まさに内閣、そして政府全体の総力を挙げて取り組みを進めているところです。そうした中ですから、内閣改造や役員人事について、現時点で私から申し上げることはございません。