2012年に長崎県対馬市の寺から窃盗団によって盗まれ韓国に持ち込まれた仏像について、返還に向けた書類上の「引き渡し」が今月行われる予定であることがわかりました。

長崎県対馬市の観音寺から盗まれた「観世音菩薩坐像」。2012年10月、韓国の窃盗団によって、海人神社の「銅造如来立像」と共に盗まれました。「銅造如来立像」は2015年に返還されましたが、「観世音菩薩坐像」は未だ戻されていません。

韓国の浮石寺(プソクじ)は「観世音菩薩像」について、「中世に日本の海賊=倭寇が強奪したものだ」として所有権を主張。盗品として保管している韓国政府に引き渡しを求めていましたが、2023年10月、韓国の最高裁は「観音寺に所有権がある」との判決を言い渡しました。

判決から1年3カ月。観世音菩薩像はいまだ韓国にあります。

観音寺の田中節孝前住職によりますと、2024年夏頃から観音寺側と浮石寺側との間で返還に向けた話し合いを重ねており、合意に至ったことから、1月24日にも田中前住職と市の担当者が韓国に向かい書類上での「引き渡し」を受ける予定だということです。

書類上での引き渡し後は浮石寺の要望により「百日間にわたる法要」が行われることになっており、観音寺がその間「仏像を貸し出す」形となります。

盗難から12年以上が経過し、ようやく対馬に戻ってくる見通しとなった「観世音菩薩像」。田中前住職は「良い解決をしたのではないか。良かったと思う」と話しています。