39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で無罪を言い渡された前川彰司さんについて、検察は上告せず、前川さんの無罪が確定しました。

1986年3月、福井市で女子中学生が殺害された事件で服役した前川彰司さん(60)の再審で、名古屋高裁金沢支部は7月18日、無罪を言い渡しました。

再審判決で裁判所は、検察が前川さんに有利な証拠を把握しながら意図的に明らかにしなかったことは「不誠実で罪深い不正といわざるを得ず、到底容認できない」と厳しく非難していました。

上告期限の1日、名古屋高検は裁判所に上告しない手続きをとり、濱克彦次席検事は「当時の検察官の対応は不公正なものであったと評価されたのも当然。検察としても真摯に反省し教訓とすべきである」とコメントしました。

福井県警察本部・増田美希子本部長
「今回の判決を重く受け止め、今後警察の捜査に疑念が抱かれることの無いよう緻密かつ適正な捜査に努めてまいります」

福井県警察本部の増田美希子本部長は、今後前川さんに直接謝罪するかは、警察に対する訴訟提起も踏まえて検討することにしています。

前川彰司さん
「よかった。無罪が確定しある意味自分を証明できたかなと思っている。今回明らかに警察・検察に非があったわけだから相応のことはしてほしい」

弁護団は前川さんが不当に身柄を拘束されたとして今後、国に刑事補償を請求する方針です。