大相撲夏場所は、石川県津幡町出身の小結・大の里がデビューから7場所目と、史上最速での初優勝を果たしました。今場所の大の里の強さの秘密はどこにあるのか、独自の視点で振り返ります。

■初日 〇大の里(1勝) すくい投げ 照ノ富士●
立ち合い、左をのぞかせ少しがぶりながら右を差すと一気の攻めを見せた大の里。照ノ富士が小手に振ろうとするところをすくい投げを決め、横綱戦初勝利。夏場所の活躍を予感させる一番になりました。
■5日目 〇大の里(4勝1敗) 寄り倒し 霧島●
立ち合いから霧島は左の前まわしをつかみ、大の里の右を封じたかに見えましたが、浅いながらも右の下手を取った大の里は右半身から霧島を土俵の外へ。決して十分とは言えない体勢から大関に勝ち、1敗を守ります。
■6日目 〇大の里(5勝1敗) 寄り切り 琴櫻●
「猛牛」の愛称で横綱まで上り詰めた祖父のしこ名を夏場所から継承した、大関・琴櫻との一番。右の相四つ同士、左の上手を引いた琴櫻ですが、大の里は右差しから重心を低くして寄り切り。大関を2日連続で撃破しました。前日の霧島戦のように右差しからの攻めが冴えました。