6月2日に線状降水帯による大雨で各所で被害が出ました。梅雨前線が活発になる影響で、8日~9日にかけて西日本で最大300ミリの大雨が降るなどと予想されています。今夏はこの後もイレギュラーな天候に注意が必要だと、気象予報士の前田智宏さんは話します。その理由は「ラニーニャ現象」と入れ替わりで「エルニーニョ現象」がやってくるという動きにあります。
ラニーニョ→エルニーニョ急激な入れ替わりで日本に影響か

――今夏の天気で気になる点は何でしょうか?
「今年少し厄介な天気の夏になってしまうかもしれないなと心配しています。その原因が、この夏までに80%の確率で発生すると言われている『エルニーニョ現象』というものなんですね。これどういうものかと言いますと、赤道の辺り、太平洋の海面水温の問題なんですね。南米のペルー沖の海面水温が普段よりも高くなる状況を言います」

――エルニーニョ現象では日本の天気に影響は出るのでしょうか?
「西側のインドネシア辺りの海面水温はちょっと低くなるのが一般的な状況ですね。このエルニーニョ現象が起きているときは、海の温度が巡り巡って、日本の天気にも影響してくることがあるんですね。このエルニーニョ現象が起きているときは西日本は気温が低く、冷夏になりやすいと言われています。雨が日本海側で多いということがわかっています。ただ、今年の夏のエルニーニョは、単なるエルニーニョではなさそうというのが、今年の冬まではラニーニャというエルニーニョと全く反対の現象が起きていたんですね。ラニーニャから、急に入れ替わりでやってくるエルニーニョ現象というところが大きなポイントです。ラニーニャ現象はエルニーニョと反対でペルー沖の海面水温が低くなる。インドネシアのあたりで水温が高くなるというものなのですが、急激にこのエルニーニョに変わってきているっていうことで、日本の天気にも影響が出てもおかしくないという状況になってるんですね」
「西日本豪雨」「台風21号」あった2018年も同じ状況

――過去にラニーニャからエルニーニョ現象に切り替わったタイミングはあるのでしょうか?
「過去にも2018年にラニーニャがエルニーニョに急に切り替わったっというタイミングがありました。この年は大雨や台風に相次いで見舞われた年だったんですね。7月の西日本豪雨で中国・四国を中心に近畿でも大きな被害が出ました。また関西空港の連絡橋にもぶつかった台風21号が起きたのも2018年でした。同じ状況だからこれと同じような状況が必ずしも起きるというわけではないんですけど、こういう大雨や台風に十分注意が必要な年になるんじゃないかなと思っています」
今夏は『台風がいつもよりも多くなる可能性』

――今後の見通しはいかがでしょうか?
「3か月の見通しが気象庁からも出ていまして、どういったことが起こりそうかというのを見ていきますと、ラニーニャの影響がまだ若干残っていて、インドネシアあたりの海水温が高めなんですね。海面水温が高いと台風が起こりやすい積乱雲が発達しやすい特徴があるので、この先もしかしたら台風がちょっといつもより多くなってしまうかもしれないです。あとエルニーニョの影響が出てきますと、太平洋高気圧の張り出しが弱まる傾向があるのですが、今年の夏は日本の南の方で少し張り出しが弱くなりそうな見通しです。どうなるかというと、高気圧は時計回りに風が吹いていますので、縁を回って湿った空気が日本の方にに流れ込みやすくなります。それが梅雨前線を刺激してしまうと、また梅雨時に今回のような大雨に襲われてしまうような恐れがあるということなんですよね」











