福島第一原発の処理水の放出をめぐり、中国が日本の水産物の輸入を25日から全面禁止にしました。中国へ輸出している鹿児島県内の漁業関係者からも不安の声が聞かれます。

(東町漁協 長元信男組合長)「大きいですよ、本当に大きい。相場が下がるのではないかと大変心配している」

長島町の東町漁協です。国内有数の養殖ブリの産地で、ブランド魚「鰤王」を国内外に出荷しています。昨年度の輸出額は、香港などが1億2000万円、中国は400万円ほどですが、今後、影響がほかの地域にも広がらないかが、気がかりだといいます。

(東町漁協 長元信男組合長)「(中国向けは)徐々に減ってはきていた。香港・マカオも徐々に減っていて心配」

県のまとめによりますと昨年度の水産物の輸出額は136億円で、アメリカに次ぎ、中国は6億6700万円。このうち、養殖ブリは3億円と半分ほどを占めています。

県は昨年度、中国でPRを行うなど、さらなる市場の拡大も期待していましたが…。今回の中国の判断について塩田知事は?

(塩田知事)「(中国以外の)販路を拡大したり需要喚起したりする対策が必要だと思う。政府の対策を踏まえながら、県としてもできることを検討していきたい」

東町漁協では、海外向けのブリなど20万匹以上に影響が出ると心配しています。

(東町漁協 長元信男組合長)「いつごろまで中国が輸入をストップするのか分からないが、国としても早く輸出が始まるように対応してほしい」