建設作業員(27) 約8時間ビール、焼酎、テキーラを飲み…

 2021年2月9日午前5時49分、鹿児島市の国道10号で、大喜さんは横断歩道を自転車で渡っていた際、軽乗用車にはねられた。軽乗用車を運転していたのは27歳の建設作業員。運転直前まで酒を飲んでいた。

事故を起こす直前、約8時間にわたってビールや焼酎、テキーラなどの酒を飲み、仕事の時間が迫っていることに気付いて慌てて自らハンドルを握った。
その行動が招いた結果は、取返しがつかないものだった。

時速93キロで交差点へ その先の横断歩道に大喜さんはいた


まだ日は昇っていない暗闇の中、事故現場となる交差点100m手前の予告灯は赤く光っていた。だが、男は時速70キロから93キロに加速して交差点に進入。横断歩道を自転車で渡っていた大喜さんをはねた。

事故の衝撃で変形した自転車は交差点から約50m飛ばされ、大喜さんはさらに約100m先の路上に仰向けで倒れていた。

男の車は約300メートル先で別の車に衝突し停車
変形した自転車が衝撃をもの語る

男の車は衝突現場から約300m先で信号待ちをしていた自動車に追突して停車。大喜さんは救急車で病院に運ばれたが、頭をはじめ全身を強く打っていて、およそ1時間後に死亡した。

なぜ?「ひき逃げ」で起訴されず


男は「危険運転致死」と「酒気帯び」そして大喜さんを救護しなかった「ひき逃げ」容疑で逮捕・送検された。


ところが、鹿児島地検は「危険運転致死」と「酒気帯び」の罪で起訴したものの「ひき逃げ」については不起訴処分とした。いったいなぜか?