■濡れるのも気にせず用水路へ 背中を押したのは…
田頭さんは合流した友人2人に見守ってもらいながら用水路に入りました。
(田頭雅さん)「こういう感じで(女の子の足を)持ち上げたら、上から友人2人が手を伸ばして、女の子の手をつかんで引っ張ってくれた」

女の子は、用水路におよそ15分間取り残されていましたが、3人によって無事に救助されました。下校中に落としてしまった水筒を拾おうと用水路に入ったものの、自力で上がれなくなっていたといいます。
(重信茉依さん)「『助かってよかったね』と、ずっと隣にいて背中をさすってあげたり、少しでも不安をやわらげることができたらいいなと」

危険を顧みずに1人で行動するのではなく、友人を呼んでから救助にあたるという冷静な判断が救助の成功につながりました。
(加世田常潤高校 松木みどり教頭)「1人でできないことを友達と協力して、それが実を結んで救出できたのは本当に良かった」
(南さつま市消防本部 鎌田明隆消防長)「友だちを呼んだのが素晴らしい行動だった。多くの人を呼んで消防に連絡することが二次災害の防止にもつながる」
田頭さんの背中を押したのは、小さい頃から聞いていた親の教えだったと言います。
(田頭さん)「親には『困っている人がいたら助けなさい』と教えられた。現場で女の子を見たら、そのまま帰れない。友だちを呼んで助かってよかった。これからも困っている人がいたら迷わず助けたい」

【画像で見る】女子高校生3人組 とっさの判断で用水路から小学生を救助
取材を進めると、救助された女の子の父親は加世田常潤高校の卒業生だったと判明。父親は「母校の生徒が娘を助けてくれて誇りに思い、心から感謝している」とコメントしています。








